The Ivory Manuscript – Echoes Between Forgotten Chapters

静かに積もる紙の匂い、永い年月を旅してきた手稿の手触り。
このアルバムは、忘れられた物語の“余白”に宿る息づかいを描くように紡がれています。
ページの隙間で揺れる光や、書かれなかった行の向こう側にある感情が、
ピアノの旋律となって静かに現れ、心にそっと触れます。
まるで世界のどこかに眠る、失われた古い小説の断片を拾い集めるような作品です。

本作品がそっと触れるのは、過去の物語だけではありません。
リスナーそれぞれが胸の奥にしまい込んでいた記憶の頁までも、静かに揺らしていきます。
ほんの一瞬、心の縁がふわりと温度を取り戻すような感覚——

それは、長く閉ざしていた本が無言のまま開きはじめる瞬間に似ています。
ピアノの一音一音が、忘れられていた情景を淡く照らし、
あなたの内側に眠る“まだ言葉にならない物語”をそっと連れ出してくれる。

静けさの中に潜む微かな息づかいを掬い上げる楽曲達は、
ただの音楽ではなく、心の深層でひそかに続いていた物語の続きを
もう一度歩き始めるための小さな灯りのような存在です。

耳を澄ませば、あなたの中の物語も静かに動き出します。

その小さな灯りが、今日という日の静けさをそっと照らしてくれますように。

01 Prologue Written in Falling Dust
02 The Garden Where Stories Once Bloomed
03 A Portrait Left Unfinished
04 Verses Hidden in Her Abandoned Diary
05 The Lantern of Wandering Narratives
06 Elegy for a Nameless Protagonist
07 Footnotes from a Vanished Winter
08 Ink Tears on the Sleeping Chronicle
09 The Silence After the Final Paragraph
10 Bookmarks Lost to the Wind